老夫婦とその息子さん2人という4人家族のための住宅です。

 「昔の家のような木の見える住宅に住みたい」という施主夫婦の希望にあわせ、梁通しの伝統型に近い木構造を採用して計画した建物です。敷地は南向きで日当りは良いのですが、北側に高い擁壁があるため、建物の風の通り抜けや採光を考えて二階部分の配置を工夫して計画しました。

 来客の多い家であるため、いわゆる「田の字」型のプランをアレンジし、一階は間仕切りによって居間と食堂の大きさを変えることができるようにするとともに、この家の顔として玄関を開けると光庭が迎えてくれるように計画してあります。

 施主家族が以前住まわれていた家には家族が必ず交わる、交差点のような場所がありました。設計者から見てもとても仲の良い家族ですが、これまでの家のなかで無意識に行われていた、家族の日常のちょっとした繋がりがなくなってしまわないよう、今回も家族が交わる部分を意図的に作りました。

 この家の計画では、一階に居間・食堂と老夫婦のための部屋を設け、二階部分に息子さんたちの部屋を設けてあります。息子さんたちの年齢が比較的高いため、プライバシーに配慮するとともに、居間・食堂部分を通らないと二階に上がれなくなっています。ただし、プライバシーを確保するため、一階と二階の部屋を吹き抜けでつなげるということはしていません。

 設計者の余計なお世話かもしれませんが、親子の会話は鬱陶しくなる場合もあります。こもれる場所も欲しくなります。ただし、そうした中でも何気ないちょっとした会話は家族にとって重要です。

 いつも「いってきます」「ただいま」といった挨拶から家族の会話が生まれることを自然に楽しめる家であってほしいと思い、わざとそうした仕掛けをいくつか取り入れています。

星野土建 設計担当:星野将史

広々とした空間でありながら可変性のある居間

日なたぼっこに最適な明るくぬくもりのあるバルコニートップライトのある明るくも落ち着いた食事スペース
光庭のある雰囲気のある玄関。つるし雛はお施主さん作です。
1F面積 87.07m2
2F面積 59.49m2
延べ面積 146.56m2
構造材 杉 ヒノキ (埼玉県西川材 神奈川県産材 秋田県産材)
構法 木構造(梁通し(渡りあご)+ 貫構法)
断熱 天井・床下:フォレストボード
壁:ウールブレス羊毛断熱材
屋根・外壁通気構法
外部 屋根:ステンレス平葺き+瓦葺き
外壁:モルタルリシン吹付(当社オリジナル細目仕様)
内部 天井:杉板露し
壁面:漆喰仕上げ
床:ヒノキ無垢板貼り
受賞歴 第53回神奈川建築コンクール「アピール賞」
神奈川県建築士会賞
神奈川県建築士事務所協会賞