差し物の梁であったケヤキ材を挽き割った材料を
保管しておいたのですが、今回乱貼りで玄関に使ってみようかと
思って引きずり出してきました。
以前、一部を式台に名栗加工した物との乱貼りで使用したことがあり、
一部の材料にはその時の打ち合わせに使用した試し彫りの跡があります。
赤身の材なのですが、今回はどう使いましょうか。
こうして材を並べて考えるのも楽しいですね。
ケヤキの盤を使います。
避暑地で基礎工事
只今長野県軽井沢町に新築中の建物の基礎工事も順調です。
寒冷地であるので基礎の根入れは750ミリと深いのですが、
立ち上がりも湿気を考慮して周囲の地盤から800ミリ高くしています。
布基礎ですが、よくある切れ目のある基礎ではなく、
立ち上がりがすべて連続した一体の基礎になっています。
って言っても、配筋が終わった状態のこの写真じゃ分かり辛いか・・・・。
地鎮祭いろいろ。
行ってから少し時間が経ってしまいましたが、
4月に地鎮祭を2カ所で行いました。
川崎と長野という離れた2カ所での地鎮祭でしたが、
いつも関東で仕事をしていると、寒冷地の長野
での地鎮祭は非常に興味深かったです。
寒冷地では榊が育たないそうで、玉串拝礼はイチイの枝で
行い、拝礼時には、なんと宮司さんが横笛を生演奏してくださいました。
長野での地鎮祭の祭壇。下が凸凹でちょっと傾いているのはご愛嬌ですね。
こちらは川崎での様子。コンクリート造の住宅の現場です。
その土地の神様にお祈りするのに、地域性があること。
きっと昔から色々と形を変えつつもその土地に根ざした
地の神様への祈り方が受け継がれているのだろうと思います。
地の神様に祈りを捧げ、工事がいよいよ始まります。
古材も使います。
ちょっとした運命だと思うのですが、縁あって私たちの会社に来た
古材の梁たちです。千葉の銚子の信濃屋さんという
海産物を扱っていた旧家の梁だったそうです。
こうした古材は、繁栄している家の物でないと忌み嫌われるので、
シッカリした出所の物でないといけません。
とは譲ってくださった銘木屋さんの言葉。
ただ今刻んでいる建物にも一部使うので、材を選ぶためにに広げてみました。
これを使ってお店とか、自宅とか建ててみるのはどうでしょうか?
早い者勝ちですよ〜!!星野土建がお手伝い致します。
この材などは柱に使っても面白そうですね。
刻みも順調です2。
梁の刻みの風景です。
墨付けの作業から進んで材を加工する工程です。
手刻みで材を刻んでいるところも少ないかもしれませんね。
連休後まではこんな感じの作業を行っておりますので、
木の家を建てたい方、興味がある方、是非当社までお問い合わせください。
見学できるかもしれませんよ!!
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宝の山
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先日縁があって、これらの材料がうちにくることになりました。
実は茶室用の床柱他もっとすごいものもあるのですが、
そのうち折りをみて小出しにしていきます。
トラックに乗っている状態なので分かり辛いですが、
これらは杉、松、栗等の盤、式台と、今は少なくなってしまった
(というよりも、もう作っているところが無いらしい)
厚物貼りの突き板です。
盤はともかく、突き板というと、「え〜っ、合板でしょ?」という人がいますが、
厚物を貼った突き板は、今出回っている、薄板貼りの突き板とは比べ物になりません。
20〜40年ほど前くらいの和室で、少し材料を考えて作られた建物には
使われていることが多いと思います。
改修にしても新築にしても、もう無いものなので、
そうした和室の手直しにも使えるものです。
これは私も疑心暗鬼だったのですが、
今から10年、15年程前には当たり前のようにあった
和の空間に欠かせない材料が銘木と呼ばれるものにしても、
素材にしても、そのもの自体がとれなくなったり、
作る人がいなくなったり、色々な事情で姿を消しつつあります。
代わりに外国で作られた物とか、今あって手に入るものを代用するのですが、
基本的に作りが違うため、そのものに求められるニーズを満たせない物も多いです。
そのうち、廻りの天然の物を用いて素材を楽しみ和の空間を作ることは
皮肉ですが日本では出来なくなってしまうのかもしれません。
木の家に携わる仕事をしてゆく上で、
物を持っていないとできない仕事が出てきてしまっているのも
また事実なんですね。
そうしたご用命を頂く時のために、こうした材も徐々にストックしていきたいと思います。
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頑張れコミセン君
木造の建物では、柱と梁が取り付くところを接合部と呼びますが、
柱には、ほぞと呼ばれる凸の形状の加工、土台や梁にはそのほぞを
受けるほぞ穴という凹の形状の加工が施されます。
一般的な木造軸組の建物では、ほぞの長さは短く、(短ほぞと言います。)
柱の横にはかすがいや金物を取り付け、地震の時など建物が変形した場合の
土台や梁から柱を引き抜こうとする力に耐える工夫を行います。
柱の位置、またその柱に取り付く壁の耐力(地震に耐える力ですね。)
の大きさにより、使用する金物を変えて対処していくのが一般的なのですが、
木の建物であれば、接合部もそれに合ったものとしたいもの。
この建物では、金物は補助的に使用し、柱、梁の接合部を
すべて長ほぞ差し込栓(コミセン)打ちとしています。
ほぞの長さが一般のものより長く、ほぞの向きと直交して
込栓という木の栓をうち、引き抜く力に対処する仕組みです。
梁の横に小さく出っ張っているのが込栓。
地震の時に柱を引き抜く力にこの栓が耐えてくれます。
個人の趣味はあると思いますが、
意匠的にもこれがポコポコ出ているのがユニークで好きです。
いざというときに力を発揮してくれる、小さな力持ちのコミセン君です。
木の外壁のお披露目
平塚代官町の家が完成致しました。
昨年から工事を行っていました、平塚の代官町の家ですが、
先月3月に無事建築の工事を終えました。
少しだけ中を公開しちゃいますね。
葉山から鎌倉、鎌倉から平塚辺りの湘南と言えば、昔は海沿いは別荘地であったところ。
このお宅はお施主様からのご希望もあって、内部は板張りの箇所が多いです。
いつもの木組みの躯体とあわせて木がふんだんに使われていると、
なんだか心地よい非常に上質な空間が広がります。
家の中に入るとまるで別荘にいるような豊かな空間のある住宅になりました。
居間の雰囲気はこんな感じです。落ちついた木の空間です。
外のデッキから見る居間もステキです。
2階の廊下と階段、吹き抜けのスペースに面して、家族で使える共用部をつくりました。
作業用の作り付けの机と本棚、収納が備え付けてあります。
水廻りも洋風で、オシャレな感じです。なんだかいい雰囲気ですね。
準防火地域内の場合、外壁の内側に板を張ったりする場合でも、
土壁とするなどの法令の告示の内容に書かれているものか、
認定を受けた外壁の構造でなくてはなりませんが、この建物は、
それにあわせたやり方で行っているため、内部の空間は木をふんだんに使用しております。
知らないと「できませんよ。」と言われ断られてしまうこともあるようですが、
市街地でも木をふんだんに用いて心地よい家を建てることが可能です。
ただし、それをきちんと建てるには、知識と経験が必要なのは事実です。
ここ15年くらいの間で、市街地でもプレハブや、出来合いの見た目だけ良い住宅ではなく、
木の温もりのある建物に住まうことが出来るいろいろな技術が研究され、
法令の整備も進んできました。これは、市街地で木の家に住みたい人にとっては、
朗報であると思います。
何気なくこうした仕事をしていますが、色々と進化しつつある今の木造技術の中で、
技術の研鑽を様々な方のおかげでなし得ていることに感謝しなくてはなりませんね。