「良い仕事」を行うのは当たり前のことですが、それは誰のため、何のための仕事でしょうか。
人は皆そうなのかもしれませんが、自己の利益ばかりを考えていると、「良い」の本当の意味は簡単に見失ってしまいます。
星野土建は、人や社会の幸せにつながる仕事とは何かをいつも心がけて住環境づくりを行っている会社です。
株式会社星野土建は星野家の明治年間から続く大工の家系にルーツがあり、建築には家業としてもう100年近く携わっております。会社としては昭和24年に星野正行が合資会社星野土建を設立したことに始まります。
明治年間に星野家初代の大工であった巳之助は大工の腕は立つが遊び人であり、自宅は日吉のあばら家と言われるほど惨めなものであったそうですが、孫の正行はその実直な性格からなのか、病弱で早くに亡くなった父の銀次郎の跡を継ぎ、家族を養うため家業の大工業を土木・建設業まで拡大し会社設立にこぎつけました。
その後、修司の代からは、主に住宅建築を中心とした建設事業を行っておりますが、近年めまぐるしく変わる住宅を取り巻く環境の中で、自社の得意でもある木造建築技術を活かすために何ができるのを考え、木造住宅を取り巻く需要や環境について調査を実行し、職人の手仕事を活かし、環境に優しく、地産地消を考えて地域産木材を使用した、伝統的な木組みの住宅を求めるニーズを知り、地域産木材を使用した伝統的な木組みの住宅建築への取り組みに舵を切り、現在に至っております。これからも、皆様の幸せにつながる住環境を創造する会社となれますよう、日々精進して参ります。
星野土建は元々が大工の家系であり、私は設計職からこの世界に入りましたが、大学時代にのめり込んでいたスキーの影響もあり、山の環境や地球温暖化といった環境問題に興味を持ちました。私自身、高校生時代までは自社で出る廃材の薪で五右衛門風呂を沸かし、飼っている鶏の卵を食べて育ちましたが、日吉でそんな暮らしをしていたせいでしょうか、当時推奨されていた設備機器に頼った省エネにはあまり興味が湧かず、もう少し資源の循環といった視点を加味しての省エネを考えるべきだと考えておりました。都会に住んでいると恩恵を感じにくいですが、私たちが水を飲めるのは水源涵養林という森林のおかげであり、また、趣味の魚釣りを楽しめるのも、魚付き林という保全された森林のあることで豊かな漁場が日本沿岸にあることのおかげであることも、家業の建築を通して、木で建物を建てるということに目を向けさせる一つの要因でした。
大学を出て設計事務所に就職したのち、一級建築士試験に合格した26歳の時に自社に戻り、祖父や父の元で家業の強みである木造建築の技術をさらにブラッシュアップし、自社の仕事においても近県の材料を用いた、伝統的な構法を用いた住宅を建てることに舵を切りました。その取り組みを始めてからもう十数年が経ちますが、木の家が持つ独特の雰囲気と、当社のこだわりのある設計は定評をいただいております。
木の家でも、ただ木を使い、形のデザインが良いところを売りにした住まいづくりが多い中で、建て主の方の幸せにつながる住環境をデザインすることを考えることはもちろん、資源の循環や、地域での木の家を作る住宅供給者としての役割は何か?そんなことを悶々と考えながら、日々微力ながらも住生活の幸せづくりを考え社業に取り組んでおります。