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我利我利な心に気をつける

2019年11月16日
カテゴリー:
日記
住まいへの考え

 仏教では「我利我利」とは自分本位で夢中に行動するさまのことを言うそうですが、
「自分の権利、主張はするけれど、それは自分の得のため。」
「自分が好きなこと、輝けることは進んでするけれど、周りのことは思いやれない。」
そんな自分さえよければよいという我利我利の考え方で、思いやりのない言動を取ることが
あたり前であるかのようなネットへの書き込みを最近よく目にするのは私だけでしょうか。

 企業を経営していると、いろいろな人と出会うことになります。特に建設系は未だ労働集約型の
業態が色濃く残っているので、人的な要因が多くあります。その中で、人とのコミュニケーションは
非常に重要です。
 我利我利の心を持ってしまった人は自分中心の思考になってしまっているので、
そこには気付くことができません。自身の我利我利の考え方が原因で
会社にいられなくなったり、仕事を失ったりすることもあります。
そのあとで自身の勤めていた会社や、仕事への不満や悪口を言っていたりします。
 でも、自分では自分が正しい、相手が悪いと思っているので、
何度も同じことを繰り返してしまうのではないでしょうか。
我利我利の心は意識しないと知らず知らずのうちに自分を蝕んでしまいます。
 
 人の不幸は蜜の味と言いますが、相手の誹謗中傷や、悪い噂話を好んでするのも、
それによって自分の立場を上げて相手の立場を下げることを期待しているのであれば、
我利我利な考えに過ぎません。
 それを聞かされる当事者になった時によく考えるべきなのは、
その真相はどうなのかということ。
「〇〇さんがこう言っていた。」「〇〇さんの考えはこうだ。」という話で、
〇〇さん本人に聞くと全然違う話がかえってくることは良くある話です。
そのような噂や悪口に下手に乗ってしまうと我利我利の考え方で、
関係のない自分が思いやりのない言動、行動を取ることになります。
 その結果、相手も自身も傷つけることになるのであれば
少し慎重に物事を見定めて考えるべきだし、相手を思いやる気持ちが必要ではないでしょうか。
人の心や思いは相手とよく向き合ってみないとわからないことが多くあります。
ただし、人が自分を思いやる心を自身の我利我利の心を満たすために
利用する人もいるので、そこが非常に悩ましいのですが。

「自分が損をしないために」とか、「自分が得できる」「勝ち残るために」
そのような我利我利の心を煽る情報や考え方が多く氾濫しているのではないでしょうか。

 今の時代だからこそ「自分が」「自分は」ではなく、
「相手と一緒に自分が」とか「相手のために自分は」といった他者を思いやる
利他の心が重要であり、求められているのではないかと思います。

 住まいづくりを仕事としていますが、一軒の家を建てる時には、何人もの人が関わります。
そんな他者を思いやる心を大切に住まい作りができたなら
それはお施主様にとっても素敵な家になりますよね。