前回屋根の件を書きましたが、工務店として設計施工している立場で
屋根改修に携わっていると、屋根下地が見過ごされているケースをよく見ることがあります。
建物を建てる場合には、床を支える梁などの構造部材がそれらの部材にかかる建物の重さや風の力
などに耐えられるかどうかの寸法チェックを行いますが、屋根に対してもチェックを行います。
ただ、昔の建物だとそこまで解析が行われていなかった時代ものも多く、屋根の構成部材である
垂木や野地板といった部材は華奢な物で作られている場合も多いです。
その場合、長年の経年劣化で屋根が波打ってしまっていたり、場合によっては屋根葺き材が
正しく施工できない場合もあります。変形してきてることが屋根からの雨漏りの原因の一つである
場合もあり、その場合には野地板や垂木にも手を加える必要があるのですが、
街中の工事現場を見ていると、そのまま葺き替えていたり、中には既存の屋根の上にカバーする形で
新しい屋根を施工するものもあり、本当の意味での屋根改修が果たされていない現場もよく見かけます。
もちろん、下地に問題がない場合や、屋根の形状や1階の下屋の壁などの取り合いの影響もあり
やむなくそのまま施工を行わなくてはならない箇所などもありますが、
屋根は建物の中では一番酷な環境にある場所です。
考え方は様々だと思いますが、改修するのであれば、ある程度長く使うことを考えた
直し方を考えていきたいと思っています。
屋根の雨漏り2
2020年5月3日
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