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されど気になる建物の金額の話

2010年3月12日
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日記

「坪単価いくらですか?」
未だにこの質問がプロアマ問わずに建築の世界では多く聞かれます。

坪いくらというのは分かりやすい金額の検討の仕方のように見えて、実はとても曖昧です。たとえば同じ仕様の30坪の建物であっても、平面の形状により外壁の施工面積に差が出て、同じ金額で施工不可能であったり、建物の立地条件により金額の差があったりということは当たり前です。また、坪単価にどこまでの金額を含めて金額が提示されているかということは、詳しく話を進めてみないと分かりません。かなり曖昧なのです。

 弊社で建てている建物の坪単価の質問を受けますが、弊社の場合でも、仕様や建て方により坪60万円台のものから100万円を超える物までかなりばらつきがあります。ネットや媒体等の「坪単価いくら」にかなり惑わされがちですが、一番重要なのは「何に重点を置いた家に住みたいか」だと思います。
たとえば、木の空間に重点を置いた家に住みたいと思うか、設備機器を重点に考えた家に住みたいと思うか等によっても、建物の金額は異なります。

 自分が良いと思った建て方が、自分の思っている坪単価より高かった。よくあることと思います。ではその建て方で建てるのには総予算の中で、何に一番重きを置くのか、そしてそれを実現するにはどの大きさで、どんなバランスであれば建てられるのか。それらを考えることが本当は一番重要と思います。ただし、勿論限度はありますし、物にはきちんとした金額がありますから、それらを考えた上で無理な場合もありますが。

弊社ではあまり坪単価いくらという話はせずに、予算の中でどのような家をどのような立地条件の敷地に建てたいのかを聞き、可能な案をご提案させていただいております。坪単価の高い安いはあてになるようで、実は本当にあてにならない数字なので、「この仕様であれば坪いくらから」といった曖昧な金額の話は致しておりません。

大工の技術で家を建てる

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日記
住まいへの考え

近年、大工の技能というものがおざなりにされすぎている部分があると思います。集成材等の人工材やプレカットの台頭による部分もあると思いますが、技能に関してあまりに考えられていない気がします。
当社では,天然乾燥の国産材や地域産材を使って家を建てていますが、材料を見て、加工し、組上げるにはどうしても人の手でないと無理な部分があります。ですから当社では大半の建物は手刻みの加工です。
 木はその性質上どうしても、反りますし、曲がりますし、割れます。技術が発達してきていることもありプレカットを完全否定はしませんが、そうした材料を刻み、削り合わせ、組上げるにはどうしても手の技術は不可欠ですし、材を見る目がなくてはなりません。そうした大工の技能は、家を建てる上だけでなく、維持する上でも重要です。
  
「伝統構法」というものが脚光を浴びつつあります。伝統と言うと古くさく思う方もいるかもしれませんが、近年、継承されてきた大工の技能、知恵による木造の考え方が様々に検証され始めました。それにより、「伝統構法」が木という材の性質をふまえた、木を生かした構法であることが実証されてきています。
 今、日本各地に築100年以上の木造建築が建っています。それらは何もされずにそこに残っていた訳ではなく、そうした技術により維持管理が行われてきた結果そこに建っているわけです。
 また、木造で組上げたものを一度解体し、また別の場所に移築する等ができるのも、そうした技術がある上で成り立っているものだと思います。

住宅は建てて終わりではなく維持管理に手間がかかります。どんなに耐久性のある建物でも,手を加えられなくては、50年、100年、200年とは持ちません。手を加えられなくてはその時点で解体されゴミになってしまいます。家を長持ちさせるにも技術が必要です。

木を使った家には、作る・直せる・壊せる大工の技術が不可欠です。

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大工技術 家 建築

春の気配

2010年3月1日
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日記

先日現場からの帰りに地元の有名な花見スポットの前を通りかかったので
木を見上げてみたら、既につぼみがかなり大きくなっていました。
気がつけばもう3月、桜が咲く新しい季節に向かってスタートです。

東京都中央区の明石小学校を保存しよう

2010年2月12日
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日記

昨日「つきじTASSギャラリー若松屋」で開催中の写真展に出かけてきました。
実は私の友人がこの学校の卒業生であり、保存活動のメンバーとして活動していて、今回イベントの情報をいただいて、これは見に行かねばと見に行った次第です。

震災復興小学校。昨日友人から色々説明を受けるまで、あまり聞き覚えのない建物だったのですが、復興小学校とは、関東大震災で倒壊・焼失した小学校を建て直す際に
復興事業の一環として建築した、鉄筋コンクリート造りの校舎のことだそうです。
この小学校の保存活動については、メンバーの中村さんがホームページを立ち上げておられます。
http://www.justmystage.com/home/akashihozon/index.html
また、昨日の午後11時からのNHKのニュースでも取り上げられていました。

昨日ギャラリーで友人と話し、ホームページを拝見して、色々と知識を得たのですが、
関東大震災で罹災した小学校の数は、117校あったそうで、その数年後には、「壊れない校舎を建てよう」と震災復興小学校という復興事業が持ち上がり、その壊れない校舎・災害に強い校舎というのも、計画段階できちんと数字で細かく指示されて、復興小学校はみんな、この規格に沿って建設されたとのことです。驚くべきことに、その耐震性は80年を経た現在でも十分保持されているとの事です。

 また、耐震性だけでなく、廊下や階段の幅と配置等にも気を配り、三分以内で全校生徒が避難できるように計算されているなど、非常に細かなの規定により建てられています。
 生徒の生活面でも、窓の大きな明るい教室を持った部屋であったり、水周りが極めて清潔感のある設計であったり、戦後のいかにも企画化された経済性第一のコンクリート校舎とは全く違った物であるといえます。

 常日頃から、伝統的な木造に興味を持ち、未熟ながらに活動を続けておりますが、古い物は危険とか、古い物は経済的でないという考えには本当にいつも悲しい思いしか致しません。戦前の時代ですのでコンピューターや高度な機械などない超ローテクの時代の建物ですが、木造にしても、コンクリートの建物にしても、今の高度な解析技術を用いて検証すると、極めてすぐれたメカニズムを持っている建物は決して少なくないのが実情です。
 
 現在の機械や物に頼る豊かさや環境配慮ではなく、その建物そのものが、使用する人に対する豊かさや環境配慮を考えて建てられていること。本当は今の日本の建物の有り方に求められているのはこの点だと思います。
小学校という教育の場で、子供がこれを感じながら育っていけたら、それは本当にすばらしいことと思います。ぜひとも保存し、活用してほしいですね。

写真展は2月14日(日)まで築地の「つきじTASSぎゃらりー若松屋」で開催されています。
(このギャラリーも築80年の歴史的木造建造物です。)
http://www.g-wakamatsuya.com/gallery.html

がらんどうの改修工事 横浜にて

2010年1月28日
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日記
リフォーム・改修

さて問題です。コノ写真の中に人は何人いるでしょうか?
というのは冗談で・・・・。

只今木造平屋建ての家の内部をがらんどうにして、改修を行っています。
今回は建物の不同沈下もあるため、一部ジャッキアップして不陸をとり、構造体を補強して
内部空間のリフォームを行います。そのため内部はがらんどうの状態です。

 先日テレビの番組で見たのですが、飛行機(旅客機)では何千時間ごとにC整備といって、内部の壁、天井、トイレまで取り払い、機体を点検する整備を行うそうです。安全の為とはいえ、一年半か2年に一度はがらんどう・・・・。作業中の風景はまさにコノ写真と同じようでした。

これだけ住宅のストックが増えてきている中で、リフォームに関しての需要も増えていますが、
中には悪いものには蓋をする的な考えで上から新しい物を貼り、見た目のみ綺麗にしていく工事を行っているのも多いです。建物を維持する上で、構造体に関してもリフォーム時に点検を行い、腐っている部材は取り替えたり、補強を行う等の対処が必ず必要で、これが出来ていないと、リフォームや改修を行った意味は全くありません。このあたりの部分の仕事にきちんとお金をかけられるかどうかで、そのリフォーム工事の本質が決まります。リフォーム工事で安易に安い物に手を出すのは考え物なのは、この点にあります。

きちんと直せる技術があるかどうか、改修に関してどういったスタンスの考え方をしてくれているのか、そのあたりを大切に、改修のパートナーを見つけてください。
キッチンや、浴室、トイレ等の水周りの改修を希望される方が多いですが、特に水周りは下地や周辺の柱、土台等が水気により傷んでいる場合がありますので、その辺をしっかり見極めた改修工事が必要になります。

日吉の丘の家完成しました。

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日記
新築事例

日吉の丘の家が完成致しました。
今回の建物は大壁主体の在来工法ですが、シンプルな建物でありながら、床材の栗や枠材のタモ他木の風合いを所々にアクセントに用いています。お子様のお友達や、奥様のご友人等人が集まることの多いお宅なので、30坪程度の住宅でありながら、15畳程度の大きなワンルームの居間を持った住宅です。今回は、構造材のほとんどを神奈川県産材としているため、神奈川県産材の認定住宅になり、神奈川県産材の事業からプレゼントされたヒノキの柱が居間の真ん中に立っています。子供が一緒に遊ぶのにちょうどいい太さです。
断熱材は壁、天井、床下とも、羊毛のウールブレスを使用し、ガラスはペアガラス、内部の木部は全て無垢材になっています。


横浜・日吉の土地情報

2010年1月21日
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不動産情報

日吉1丁目で安心して家を建てられる良質な土地です。
弊社の施工にて健康的な木の住まいに住んでみませんか。

建築条件付き 売地 東南角地 
162.11㎡(49.03坪)セットバック面積約18.76㎡含む
【物件内容】
所在:横浜市港北区日吉1丁目
交通:東急東横線日吉駅徒歩8分
土地面積162.11㎡(セットバック約18.76㎡含む)
地目:宅地 権利:所有権
接道:南側約2.2m公道 東側約2.8m公道
用途地域:第一種低層住居専用地域
建蔽率50% 容積率100%
その他規制:準防火地域・宅地造成規制区域
設備:公営水道 都市ガス 本下水
現況:更地
引渡し:相談
取引態様:仲介

土地価格 6160万円

詳しくは当社までお気軽にお問い合わせください。

石をすえる

カテゴリー:
日記
リフォーム・改修

植木屋さんが石を移動しています。

 竣工後半年たって、黒壁の家の庭に少し手を加えて、掃き出しに靴脱ぎ石をすえました。
敷地に元々あった石を植木屋さんに動かしてもらってすえました。機械じゃ無理なので手作業ですが、社会の歴史の教科書に出てくる昔の大きな石を運搬するのと同じやり方で石を運び、すえる石の手前に穴を掘りその穴をうまく利用してすえる。これも受け継がれてきた技術ですよね。些細なことですが、その場に居合わせた施主様と一緒に、なんだか妙に感動しました。

横浜や東京など都市部で山の木の活用を考える

2010年1月18日
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日記
住まいへの考え

今、日本の山は壊滅状態と言っていい状況に近づいています。日本の国土の67%は森林と言われていますがそれらの多くは材木を育てるために人の手で造林された山です。人工林である以上手を加えるのをやめてしまうと山は廃れて木が倒れ、山として本来保っている保水や土壌の保全等の役割が失われてしまい、私たちの生活にも影響が出ます。
日頃私たちは蛇口をひねれば水が飲める恵まれた環境にいますが、山の木の保水のおかげでその環境に住まうことができています。都市部にいるとなかなか恩恵を感じづらいですが、私たちの生活と山は密接なつながりがあります。
木を使うことは森林破壊ではなく、手入れをされた森林を取り戻すことになり環境の保全につながります。また、木は光合成により炭素を木の中に固定しているので、それを利用して家を建てると「第二の森」を作っていくことになります。山の木を使用して森が若返ることは地球温暖化抑制にも効果があります。
山の木を使い、山を保全し、代謝を促すことにより私たちの生活とのつながりを保っていくことができます。当社では、木造住宅の環境とのつながりを考えて、国産材、地域産材の有功活用を行っています。近くの山の木を使うことは、輸入材に比べて搬入経路も短く、使用するエネルギーは小さくてすみ、地球にも優しいです。私たちは環境の中で住んでいます。もう少し山と住まう環境に目を向けて木造を考えてみませんか。

住宅版エコポイント制度

2010年1月13日
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日記

 本日、住宅版エコポイント制度の講習に行って参りました。
昨年の12月に発表されたばかりなので、制度としてはまだ細かい部分の詰めを行っているところのようなのですが、新築及びリフォームに関してこの制度が適用されます。
国土交通省の説明としては、現在ストックされている住宅の省エネ性能を上げることに重点を置かれているため、リフォームに関してはかなり対応しやすくなっています。

リフォームに関しては
平成22年1月1日~12月31日に工事着手したもの
工事内容
次の①または②の改修工事
①窓の断熱改修
②外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
※これらに併せて、バリアフリーリフォーム(手摺の設置、屋内の段差解消、通路又は出入り口の幅の拡張を行う場合は、その分のポイントが加算されます。

新築に関しては
平成21年12月8日~平成22年12月31日に建築着工したもの
工事内容
次の①または②の改修工事
①省エネ法のトップランナー基準(住宅事業建築主の判断の基準)相当の住宅
②省エネ基準(平成11年度基準)を満たす木造住宅
※ポイントの申請には、基準を満たすことを証明するための登録住宅性能評価機関等の第三者評価が必要です。

今後、詳しい制度内容が決まってくるところらしいのですが、新築、リフォームを検討中の方は、是非制度を利用してみてください。

横浜・日吉で90余年 家族の「くらし」を共に考え、最高の住空間を作ることが わたし達の使命です

一級建築士事務所
株式会社 星野土建
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