先日引き渡しを致しました現場の階段です。
なんてこと無い写真のようですが、
この階段に光が当たって板に浮き上がってくる
陰影が私は結構好きです。
なんて書きましたが、結構マニアックですかね???
建物で階段を美しくデザインし、
まるで芸術のようなキレイな階段って結構ありますが、
デザインありきでなくて、普通の階段でも、
素材が無垢の板だと、木地の感じもあって、
この陰影が本当にいい感じなんです。
これが見れるのは、こういう階段をつくった方の
特権なのかもしれませんね。
この写真の階段材はヒノキですが、毎日足の裏
に心地よい木の感触を得て、視覚的にも楽しませてくれる。
そんな階段が私は好きです。
階段がキレイ!!
頑張れコミセン君
木造の建物では、柱と梁が取り付くところを接合部と呼びますが、
柱には、ほぞと呼ばれる凸の形状の加工、土台や梁にはそのほぞを
受けるほぞ穴という凹の形状の加工が施されます。
一般的な木造軸組の建物では、ほぞの長さは短く、(短ほぞと言います。)
柱の横にはかすがいや金物を取り付け、地震の時など建物が変形した場合の
土台や梁から柱を引き抜こうとする力に耐える工夫を行います。
柱の位置、またその柱に取り付く壁の耐力(地震に耐える力ですね。)
の大きさにより、使用する金物を変えて対処していくのが一般的なのですが、
木の建物であれば、接合部もそれに合ったものとしたいもの。
この建物では、金物は補助的に使用し、柱、梁の接合部を
すべて長ほぞ差し込栓(コミセン)打ちとしています。
ほぞの長さが一般のものより長く、ほぞの向きと直交して
込栓という木の栓をうち、引き抜く力に対処する仕組みです。
梁の横に小さく出っ張っているのが込栓。
地震の時に柱を引き抜く力にこの栓が耐えてくれます。
個人の趣味はあると思いますが、
意匠的にもこれがポコポコ出ているのがユニークで好きです。
いざというときに力を発揮してくれる、小さな力持ちのコミセン君です。
キレイな建具です。
木製の建具をつくる場合、初めにデザインありきでは無く、
そのとき手に入る材をうまく上手く使い製作すると、
良いものができる時があります。
この建具もその一例。建具屋さんと鏡板の材を探していたときに
浮造りの板を見つけて、探していたのとは違う感じの板だった
ものだから、最初は
「なんだ、浮造りになっちゃってるじゃん・・・。」
「これは使えないな・・・・。」
なんて感じだったのですが、
框の感じと合わせると、建具が表情豊かになるようで、
「これは良いんじゃ無いの???」
「今回は鏡板を浮造りにしてみようか?」
という話になり、それを生かそうと、
扉のデザインを考えて製作したものになります。
好き、嫌いは分かれるかもしれませんが、
鏡板の浮造りの目が光にあったって陰影を出し、
柾目の框とあわせて、何とも表情のある建具になったと思います。
木の外壁のお披露目
だんだんできてきました。
ただいま施工中の下田町のka邸ですが、内部の仕上げに工事が進んできました。
天井や床板を施工し、だんだんと雰囲気のある空間になってきています。
やはり楽しんで自分の家を建てたいと思っている方のほとんどがそうだと思いますが、
時間があれば、自分の家の現場に赴き、作業工程で自分で出来るものは
思い出として自分たちの手を使った足跡を残したいもの。
今回の建物も外壁の板の塗装はお施主さんと色を決め、
調色して、お施主さん自ら塗りました。その他内部も結構
こだわり、これからこの家だけの仕上げが随所に出てきます。
お施主さんのための住まい作りです。
でもこれってなかなか出来ないんですよね。ましてや、
工業製品を多用した今の住宅の作り方だと、まず無理かも。
私たちはそんな建てる楽しみを一緒に考えて家を建てています。
なのでこれはそのかたにもよりますが、弊社の現場では、
ほぼ毎日お見えになるお施主さんもいらっしゃいます。
今日も現場でお施主さんと、色々とあれこれ打ち合わせ。
良い住まい作りのお手伝いができると、だんだん笑顔が広がります。
作業中なこともあって、まだ少々雑多な現場ですが、もう少しで完成ですね。
平塚代官町の家が完成致しました。
昨年から工事を行っていました、平塚の代官町の家ですが、
先月3月に無事建築の工事を終えました。
少しだけ中を公開しちゃいますね。
葉山から鎌倉、鎌倉から平塚辺りの湘南と言えば、昔は海沿いは別荘地であったところ。
このお宅はお施主様からのご希望もあって、内部は板張りの箇所が多いです。
いつもの木組みの躯体とあわせて木がふんだんに使われていると、
なんだか心地よい非常に上質な空間が広がります。
家の中に入るとまるで別荘にいるような豊かな空間のある住宅になりました。
居間の雰囲気はこんな感じです。落ちついた木の空間です。
外のデッキから見る居間もステキです。
2階の廊下と階段、吹き抜けのスペースに面して、家族で使える共用部をつくりました。
作業用の作り付けの机と本棚、収納が備え付けてあります。
水廻りも洋風で、オシャレな感じです。なんだかいい雰囲気ですね。
準防火地域内の場合、外壁の内側に板を張ったりする場合でも、
土壁とするなどの法令の告示の内容に書かれているものか、
認定を受けた外壁の構造でなくてはなりませんが、この建物は、
それにあわせたやり方で行っているため、内部の空間は木をふんだんに使用しております。
知らないと「できませんよ。」と言われ断られてしまうこともあるようですが、
市街地でも木をふんだんに用いて心地よい家を建てることが可能です。
ただし、それをきちんと建てるには、知識と経験が必要なのは事実です。
ここ15年くらいの間で、市街地でもプレハブや、出来合いの見た目だけ良い住宅ではなく、
木の温もりのある建物に住まうことが出来るいろいろな技術が研究され、
法令の整備も進んできました。これは、市街地で木の家に住みたい人にとっては、
朗報であると思います。
何気なくこうした仕事をしていますが、色々と進化しつつある今の木造技術の中で、
技術の研鑽を様々な方のおかげでなし得ていることに感謝しなくてはなりませんね。
外壁の杉板をカキ色に塗っています。
ただ今、下田町の家の外壁をお施主様が塗っています。
時々弊社では行うことですが、お施主様のご要望にも
よりますが、建物施工の工程の中で一緒に行えるものは行って、
せっかく建てる家の思い出づくりといいましょうか、
「ここは自分でやったよ」といえるようなところを残して、
せっかく建てる自分の家にお住まいいただくべく、
建物の施工にご参加いただけるような取り組みをしております。
今回は外壁の杉板の塗装です。
お施主様の思いのこもったカキ色を柿渋塗料を配合し
色を出して塗っております。仕上がった外壁が今から楽しみですね。
上棟順調です。
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ただいま上棟作業が順調に進んでいます。
今回の、この建物の棟梁はなんと24歳の大工です。
大工育成塾の塾生として当社に来てからもうすぐ6年目になります。
常日頃からの彼のやる気と熱意もありますが、
そうした気持ちを応援し、もり立て、一緒に頑張ってくれる仲間がいるのが
私たちの仕事の良いところ。彼の人柄もありますが、
無事、今日の上棟式を迎えられそうです。
若い職人を育てるというのは、非常に難しいことです。
ただ、意志のある人が頑張ろうと思える環境を作っていくこと、
私たちのような会社にはまずそれが求められると思います。
そして、それを理解してくださるお施主様、
一緒に行動してくれている仲間たちに、感謝しています。
今日から上棟が始まります。
年末の締めくくり。
本日で今年の仕事納めです。
現在材を加工中の下田町のK邸ですが、
順調に刻みの作業が進行しています。
今回、墨付けを行なったのは23歳と期待の若手のホープ。
刻みはベテラン大工とのコンビで行っています。
彼のやる気もありますが、こうして頼もしい若者が
育っていってくれていることには、敬意を表します。
人柄もあると思いますが、今年は色々な大工の諸先輩方に
かわいがっていただきました。
やる気のある人間が一人でも増えると、
周りも見る目、心意気が違います。
これも彼の人徳だと思うのですが、周りの諸先輩方の愛もありますね。
今の時代、人を育て、仕事を継承していくのが非常に
難しい時代ですが、来年もこつこつとこうして頑張って、
皆様の住まい作りのお手伝いをさせていただければと思います。