3月の震災後、電力消費の制限や資源活用において無駄遣いをなくそう
という動きが大きくなってきています。
テレビ、マスコミの、電力消費のより少ないものへの買い替えを促すような
電力消費の少ない製品であることのアピール合戦のような報道には少々呆れますが、
本当に分かっている人なら、今盛んに報道され、助成金まで出されて後押しされている電気を使わなくてはならず、過大な設備に投資しなくては達成できない「エコ」というものには疑問をもたれるのではないでしょうか。
震災後価値観が変わったと言われますが、実はそれよりも前に住宅に関しては、上記の電力を使うこと前提の過大な設備を住宅に備え付けることに関して疑問をもった方が出始めていたのが事実だと思います。
今まで住宅では、高気密高断熱、オール電化等々流行りのキーワードのように性能に特徴を持たせた住宅が生まれてきました。でもその殆どが、設備ありきで何かの機械を回さないと、その性能を発揮できないのが事実だと思います。また、手を動かせばできることに電気のアシストがそんなに必要でしょうか?
それよりも、過大な設備にかける金額で、別の快適さを考えられる住まいづくりを選択できないかという考えがそこにあるのだと思います。
それに気づき、もっと自然の風をうまく取り入れたり、長い軒の出を確保して夏の日射に耐えたり、昔ながらの知恵に学ぶ姿勢で家づくりに取り組み、機械を回さず、エネルギーを極力使わず、本当に「エコ」を実践されている建て主様が弊社にも何人もおられます。
確かに、都市部の立地条件や気候上の問題で設備機器を取り入れることが良い場合もあるかもしれませんが、日本は北から南まで気候区分は様々です。流行りを追いかけるが如く、全てが画一的にひとつのやり方というのは果たしてどうなのでしょうか。
日本は唯一の被爆国でありながら、自分自身の手で放射能の被害を再度被ることになりました。
日本の経済を考えれば、電力供給上必要不可欠と判断されたのは事実と思いますが、原子力発電所がなぜ必要になったか、どうしてそこまで電力消費を考えなくてはならないのかを考えれば、子の代、孫の代を考えると、今流行りの「エコ」ではない別の考えも出てくるのではないでしょうか。