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手刻みの仕事は何が良いのか

2019年12月18日

 「大工の手刻みで家を建てています」というと前時代的な考えかと思われがちですが・・・
木という材料の性質に従い、木造住宅を建てて住むということを一つの流れのように考えた時には
極めて理にかなっている方法の一つが「手刻み」だと思っています。

 まず、木を使って家を建てる時には構造の計画は極めて重要です。
構造は人間で言えば骨格です。作り方によっては弱い家にも強い家にもなります。
今の時代、建てられる家のほとんどはプレカットの機械加工で作られていますが、木材を加工して
組み合わせる部分の継手や仕口と呼ばれるものは、いくつか決まった加工に限られてしまいます。
 その反面、手刻みで作ることができる仕口、継手は数多くあり、しかも、加工時の工夫により
寸法や作り方に色々なアレンジが可能です。
 設計し、施工監理している立場の私にとって、非常に興味があるため仕口や継手といった
部材の強度試験の場には多く参加しているのですが、そのような工夫により、
プレカットのように金物で補強せずとも、木の持つ性質に従い、木を組み合わせて、
地震時や強風時の建物の変形に耐える強い仕口、継手を作ることが可能だと
いうことが証明される場に立ち会うと、「手刻み」の優れた部分を感じずにはいられないのです。

 服や家電といった大量生産のものと違い、住宅は一軒一軒その形が違うものです。
「手刻み」であれば、大きな家からコンパクトな家まで形の違う一軒一軒の骨格を考えた時に
仕口や継手に多くの工夫を加えることが可能であるため、その一軒一軒に
対応することができます。そして住まいづくりにはそれができることが理想なのではないかと思っています。
 プレカットが台頭してから、建てられる住宅の作り方はどれも同じようなものになって
しまいました。戦後の持家政策を引きずりながら、近年でも多くの住宅を供給するため、
短時間で安価な工業生産によって住宅が生み出されている結果なのですが、果たして
長持ちするでしょうか。環境問題がこれだけ話題になっている中で、
そろそろそこから抜け出すべきだとも思います。
 「手刻み」の家は作るのに時間はかかりますし、金額も少し割高です。
ただ、人が知恵を絞り、工夫を凝らして仕口や継手を加工して建てられた住まいは
そのぶん長く愛着を持って住まうことができるのではないでしょうか。
その家に住み続けるコストを考えると、長く愛着を持って住まうことができる方が
かえって割安かもしれません。

 今の世の中の当たり前を、ちょっと昔に行っていた当たり前で見てみると、
新しい何かの発見があります。「手刻み」は住まいづくりにおけるそのような
新たな発見につながるのではないでしょうか。

ひらやのかしや、間も無く完成です。

2019年10月1日
カテゴリー:
日記
新築事例

もう引き渡しに向けて最後のチェックに入っている、横浜市港北区の
新築平屋木造住宅プロジェクト「ひらやのかしや」。
地元では有名なお菓子屋さんの目の前に建っている木造の平屋の貸家なのですが、
足場が外れて黒い板金の外観があらわになりました。ヒノキのバルコニーを施工し、
建具屋さんが建具を取り付けて、いよいよ建物の完成は間近で
最終チェックとこれから始まる外構工事の準備に入っています。


筋かいが危ない?

2019年8月28日
カテゴリー:
日記

 木造の建物で耐震要素といえば筋かいは一般的ですが、
最近プレカットの現場などを見ていると筋かいの材に比較的大きな抜け節があっても
また、材に割れが生じていたり、腐れやめの悪いものでも平気で使用されているものを時々見かけます。
 この写真は以前実際に見せていただいた事例を許可を得て掲載いたしますが、
とある現場にプレカット工場から納入された筋かい材です。

厳しいと思われる方もいるかもしれませんがこの時は交換した方が良いと判断し、材の変更を致しました。

 筋かいは、建築基準法施工令第1章第1条の三にも書かれているように構造上主要な部分に相当します。同じ施工令の第3節に木造の記載があるのですが、第41条(木材)の箇所に「構造耐力上主要な部分に使用する木材の品質は、節、腐れ、繊維の傾斜、丸身等による耐力上の欠点がないものでなければならない」とあります。筋交いに関しては、節のあるものがどれだけ弱いかを実験した結果などもあるので、折をみて紹介できればと思いますが、材の強度に影響のある抜け節などがあった場合には規定された性能を満たすことなく破断してしまうものが多いようです。

 材を出す川上から、使用する川下までこうした部分も気を使って見ていけると良いのですが、実際にこういうした材が流通してしまっている現場に立ち会うと、考えさせられることも多いです。

朝日新聞オススメのマイベストプロに掲載されました。

2019年8月21日
カテゴリー:
日記
未分類

 全国の新聞社やテレビ局等が運営し、専門家・プロを探せるWEBガイド、「マイベストプロ」の神奈川版【マイベストプロ神奈川】に弊社の代表取締役星野将史が紹介されました。仕事に対する想いや、地域密着の企業ならではの取り組み等、星野土建の魅力が伝わるインタビュー記事もご覧ください。
https://mbp-japan.com/kanagawa/hoshinodoken/interview/

夏期休業のお知らせ

2018年7月25日
カテゴリー:
日記

日頃より格別なご高配にあずかり厚く御礼申し上げます。

誠に勝手ながら、弊社では下記の期間夏期休業とさせていただきます。

2018年8月11日(土)〜16日(木)

なお、17日(金)より通常営業させていただきます。

休業期間中は皆様にご不便をおかけ致しますが、何卒ご寛容くださいます様お願い申し上げます。

なお、休業期間中に頂戴したメール問い合わせ等は営業日に順次対応させて頂きます。

あらかじめご了承のほどお願い申し上げます。

 

 

連休前に大忙し??

2018年4月24日
カテゴリー:
日記
リフォーム・改修

もうすぐゴールデンウイーク。

連休の楽しさを思い浮かべて、何だかウキウキしてしまう

この時期ですが、自社の仕事場はフル回転。

大工さん、4人で一生懸命頑張ってます。

墨付け始まりました

2018年3月19日
カテゴリー:
日記

ただ今作業場では墨付けを行っています。

墨付けとは材を加工する前にその材の癖を見た上で

加工に向けた印を付けること。よく見ると、文字の筆跡や

決まりがありながらも、その大工ごとに少し違う印の付け方もあり、

こんなところにも個性や工夫が出ていて面白いです。

もう少しすると、作業場も刻む音でにぎやかになります。

 

お寺の庫裏竣工です。

2017年12月28日
カテゴリー:
日記
新築事例

今年の春に上棟致しました、お寺の庫裏が竣工致しました。
いつも通りの手刻みの木組みの丁寧な仕事が光っております。
今回は、木組みの建物でお寺の庫裏から発想されるもの
からすると少しだけモダンな感じでしょうか。
決まりきった感じでなく、少し発想を自由にすると
可能性が広がる感じがします。



追掛大栓継ぎの調整中

2017年2月2日
カテゴリー:
日記
新築事例

追掛大栓継ぎってなに?っていうかたも多いと思いますが、
木造住宅で梁と梁を連結する部分に施す加工を継手と言います。
追掛大栓継ぎは、いくつかあるその継手のやり方の一つです。
少々乱暴かもしれませんが、簡単に言うと、電車の連結部分の
連結器のようなものだと想像してもらえれば良いかもしれませんね。
例えば、地震の時などには、建物の梁には材を引っ張る力が働きます。
特に建物の外周部はその力が大きく働きます。
なので、外周部等の主要な梁に関しては、最大引張耐力が3ton以上
期待できるこの追掛大栓継ぎや、金輪継ぎと言った継手を用いることが多いです。
その中でも、実験のデータからも追掛大栓継ぎは安定的に大きな耐力が
期待できるとされています。
弊社の場合には、建物の外周部だけでなく、梁のすべての継手は
基本この追掛大栓継ぎ、又は金輪継ぎで行っています。
これらの写真は、その追掛大栓継ぎの部分の材の狂いを調整して
ただいま最終段階の調整中のところ。
大工さんが一つ一つ丹誠込めて最終の調整を行っています。


軽井沢の山荘上棟致しました。

2015年6月6日

軽井沢で、心地良いそよ風のもと、上棟を行いました。
何年か前に御自邸を建てさせていただきました建て主さんの別荘であるこの建物。
従前40年ほど経過した建物が建っていたほぼ同じ場所に今回建築を致しました。
別荘というと華やかだったり、リッチなイメージを思い浮かべがちで、
非日常とか、デザイン的にも尖った物が注目されがちですが、
家族で使用してみると、そこでは何物にも代え難い思い出が
いくつも生まれてくるような稀な感覚を持った建物が別荘だと思います。
これは不思議ですが、普通にいつも住んでいる住宅
よりもその思い出は強いんですよね。
この建物も、建て主様ご家族のために良き思い出造りの
場となってくれるように、気持ちを込めて
これから工事を進めていきたいと思います。

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横浜・日吉で90余年 家族の「くらし」を共に考え、最高の住空間を作ることが わたし達の使命です

一級建築士事務所
株式会社 星野土建
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