作成してからずいぶん建ってしまいましたが、
取り付けてその後の経過もよさそうなので紹介します。
木組の格子壁による耐震壁の製作事例です。
今回は杉の芯去の柾目材を用いて制作いたしました。
入母屋の住宅の耐震改修(製作金物による梁補強)
入母屋の耐震改修工事、主要な部分がほぼ終わりつつあるのですが、
行った一部の工事を紹介いたします。
まずは今回は梁補強。
実際に建っている建物の鉛直荷重への対応のため
梁材の補強をおこなっている工事の様子です。
建物を壊さず、しかも二階の床組みをそのままで工事を進めなくてはならないので、
梁の補強計画にも頭を捻りますが、今回は2つに分かれたあご掛けの金物を作成し、
それにかける形で梁を持ち上げて補強工事を行いました。
金物は制作にあたりなるべく溶接による欠損の少ない形状として
構造設計事務所に提案いたしました。
無いものを一から考えるのは難しい作業ですが、現場で話し合い
施工と設計一緒になって進められるとまた可能性が広がります。
現場でのそうした関係を大事にしていると、良い雰囲気で現場が進んでいく。
そこは大事にしたいといつも思っています。
クイズ なぜ深基礎?
改修中の築35年の共同住宅の床下です。深基礎なので床下の空間の高さが高いですね。
それでは唐突ですが、ここでクイズです。この建物の床は、なぜ深基礎なのでしょうか?
ヒントは敷地の横に用水路がある事でしょうか。考えてみてください。
・周りに水が出やすいので建物の基礎を高くした。
・用水路沿いの傾斜地の建物なので、基礎を深基礎として敷地の不陸に対応した。
ある程度知識のある方だと、おそらくこの辺の答えが想定できるのではないかと思います。
それでは答え合わせをしますね。
この建物の建っている敷地は周りの敷地より60㎝〜80㎝ほど土が盛られています。
理由は、大雨の時に用水路が氾濫し、水の出やすい場所であるため。
その対策として敷地の高さが上げられました。
ただし、盛り土の上にそのまま建物を建てれば、建物は不同沈下を起こします。
最近は地盤改良を行い建物を建ててしまうことも多く見られますが、この建物の計画では
沈下に備え、元の地盤の高さに基礎を作り、後から盛り土の地盤を作って対応しました。
ですので深基礎になっているのです。
単純に建物の基礎だけを上げてしまうことをしなかったのは、外から室内に入るときの玄関の段差と
庭を使えるようにするために地盤面と床面の高さに配慮したのだと思います。
写真を見て気づいた方もおられるかもしれませんが、
それに加えて、水の出やすい比較的地盤が悪い敷地への対策としてベタ基礎で施工されています。
今の目で見ると少しアラも見える部分もありますが、何を隠そうこの建物はその昔に弊社で施工したもの。
35年前に共同住宅の施工でこれだけ真面目に色々考えていたのは素晴らしいし、誇れることだと思います。
今もその考えを引き継ぎ、その延長で考えを進めて建物を建てていますが、
昔の仕事からそれを発見できるのは、とても幸せなことですね。
朝日新聞オススメのマイベストプロに掲載されました。
全国の新聞社やテレビ局等が運営し、専門家・プロを探せるWEBガイド、「マイベストプロ」の神奈川版【マイベストプロ神奈川】に弊社の代表取締役星野将史が紹介されました。仕事に対する想いや、地域密着の企業ならではの取り組み等、星野土建の魅力が伝わるインタビュー記事もご覧ください。
https://mbp-japan.com/kanagawa/hoshinodoken/interview/
建築しごと展に出展いたします
みなとみらい駅の駅構内、サブウェイギャラリーMにて
本日より開催されます「建築しごと展」に出展いたします。
展示内容は「豊かな暮らしのヒント」。
建築設計事務所の仕事をパネル展示し、一般のお客様に
広く知っていただこうとするものです。
クリスマスのイルミネーションで彩られたみなとみらい、
よろしければぜひお越しください。
期間 2017年12月18日(月)~12月24日(日)
11:00~18:00(最終日~14:30)
会場 サブウェイギャラリーM
みなとみらい線「みなとみらい駅」改札口より徒歩1分
※入場無料
アクセス
http://www.mm21railway.jp/reservation/access.html#sgm
現場フル稼働中
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お盆を前に、現場ラッシュの弊社です。
お寺の庫裏に、ただ今上棟中のM邸。
O邸、N邸の2つの川崎市の耐震改修現場等々・・・
それぞれがそれぞれに違う木造の建物ですが、
その建物に合わせて、丹誠込めて仕事を行いたいと思います。
建築途中なので、シートの中の現場ばかりですが、
暑い日が続く中、現場ではみんな頑張っています。
横浜市省エネ住宅リフォーム相談会に参加しました。
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30年経って改修です。
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ただいま、30年前に弊社で建築致しました住宅の
増改築・耐震改修工事を行っております。
30年という年月が経ったあとで、さらにその家を生かし
住み繋いでいただくことのお手伝いをさせていただけることは
とても幸せなことです。
日本の家の平均的な寿命は30年くらいと言われて久しいですが、
30年経った家はそんなに駄目なものでしょうか?
答えはNOです。
建てた当時きちんと建てていた建物であれば、手を加えて、
また30年、50年と住み繋いでいくことが可能です。
日本各地に残っている築100年とか200年の古民家も
そうして住み繋いでこられたものうち、残ってきたものです。
家が10軒あれば、そこには10通りの家族の形があります。
その家で育まれた思い出や、記憶もあると思います。
建て替えや住み繋ぐことを考えるときに、
そんなことも少し思い浮かべてみてください。
何か家族の思いがそこには必ずあるはずです。
そんなことを大事にしつつ、住宅の仕事に携わって
いければと思っております。
頑張れコミセン君
木造の建物では、柱と梁が取り付くところを接合部と呼びますが、
柱には、ほぞと呼ばれる凸の形状の加工、土台や梁にはそのほぞを
受けるほぞ穴という凹の形状の加工が施されます。
一般的な木造軸組の建物では、ほぞの長さは短く、(短ほぞと言います。)
柱の横にはかすがいや金物を取り付け、地震の時など建物が変形した場合の
土台や梁から柱を引き抜こうとする力に耐える工夫を行います。
柱の位置、またその柱に取り付く壁の耐力(地震に耐える力ですね。)
の大きさにより、使用する金物を変えて対処していくのが一般的なのですが、
木の建物であれば、接合部もそれに合ったものとしたいもの。
この建物では、金物は補助的に使用し、柱、梁の接合部を
すべて長ほぞ差し込栓(コミセン)打ちとしています。
ほぞの長さが一般のものより長く、ほぞの向きと直交して
込栓という木の栓をうち、引き抜く力に対処する仕組みです。
梁の横に小さく出っ張っているのが込栓。
地震の時に柱を引き抜く力にこの栓が耐えてくれます。
個人の趣味はあると思いますが、
意匠的にもこれがポコポコ出ているのがユニークで好きです。
いざというときに力を発揮してくれる、小さな力持ちのコミセン君です。